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アレルギーのお話③ 卵は遅らせた方が良い?
2026.05.31前回は、皮膚のバリア機能の破綻によって「経皮感作(皮膚からアレルゲンが入り、体が反応を覚えてしまうこと)」が起こり、食物アレルギーや花粉症、気管支喘息などにつながっていく「アレルギーマーチ」についてお話ししました。
今回は、その中でもよく質問をいただく「食物アレルギーと食事開始時期」についてお話しします。
少し前までは、
「アレルギーが心配なら、卵などの食物は遅らせた方が良い」
という考え方が一般的でした。
しかし近年は、必要以上に食物の開始を遅らせることが、必ずしも食物アレルギーの予防につながるわけではない、という考え方が広がってきています。
前回お話ししたように、湿疹などによって皮膚のバリア機能が低下すると、食物の成分が皮膚から体内へ入り、「経皮感作」が成立する可能性があります。
一方で、消化管には、本来食べ物に対して過剰に反応しないような仕組みが備わっています。これを「免疫寛容」と呼びます。
実際に、2008年にはイスラエル在住とイギリス在住のユダヤ人小児を比較した研究が報告され、生後早期からピーナッツを摂取していたイスラエルの小児では、ピーナッツアレルギーの頻度が低かったことが示されています。
これらの知見から、
皮膚からの曝露はアレルギーにつながる可能性があり、
一方で経口摂取は体が慣れる方向に働く可能性がある、
という異なる側面が考えられるようになってきました。
ただし、これは「早く食べれば良い」と単純に言い切れるものではありません。
湿疹の程度や体質、家族歴などによって状況は異なりますし、特に皮膚の炎症が強い場合には注意が必要です。
そのため実際には、
皮膚の状態を整えながら、発達に応じて無理のない範囲で食事を進めていく
というバランスが重要と考えられています。
実際の卵の開始方法としては、しっかり加熱した卵を少量から始め、体調を見ながら徐々に進めていく方法が一般的です。
固ゆで卵を使用する場合には、15〜20分程度しっかり加熱し、ゆで上がったら温かいうちに卵白を外しておくと、卵黄を取り分けやすくなります。
初回は、卵白がなるべく混ざらないように卵黄を少量から開始します。少しお湯やおかゆに混ぜると食べやすくなることもあります。
また、初めて食べる日は体調の良い平日の日中がおすすめです。なぜなら普段は症状が出なくても、体調が悪いと症状が出やすくなっていますし、万が一症状が出現した場合に、医療機関を受診しやすいように平日の日中をおすすめします。
最近は、「食べ始めること」だけでなく、「無理のない範囲で継続して摂取すること」も重要ではないかと考えられるようになってきています。
食物アレルギーに関しては、「完全に防ぐ」ことは難しい一方で、皮膚の状態や食物との関わり方によって、リスクに影響する可能性があることも分かってきています。
ご家庭ごとに状況は異なりますので、不安な点があれば自己判断で進めるのではなく、医療機関でご相談いただければと思います。
文責:すいかせんせい🍉
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