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  • 咳止めって本当に必要? ~咳だけでは治療は決まりません~

    2026.08.03

    「先生、咳止めをください。」

    診察室でよくいただくご相談です。

    お子さんが咳をすると、早く楽にしてあげたいと思うのは当然のことです。

    でも、小児科医が最初に考えるのは、

    「どの薬を出そうか」

    ではありません。

    まず考えるのは、

    「なぜ咳が出ているのだろう?」

    ということです。

     

    咳は体を守る反応です

    咳は、気道に入ったウイルスや細菌、ほこりや痰などを外へ出し、空気の通り道を守るための大切な防御反応です。

    つまり、咳は体を守ってくれる「味方」です。

    もちろん、咳が長く続いたり、眠れないほど強かったりすると、治療が必要になることもあります。

    しかし、咳だけを見て治療を決めることはできません。

     

    咳は病気ではなく「症状」です

    風邪でも、

    喘息でも、

    百日咳でも、

    肺炎でも、

    咳は出ます。

    つまり、咳は病気ではなく、「体からのサイン(症状)」です。

    同じ「咳」という症状でも、その原因はさまざまです。

    だから、小児科医は咳だけではなく、「何が原因で咳が出ているのか」を考えます。

     

    小児科医は何を見ているのでしょう?

    診察では、

    • いつから咳が出ているのか
    • 夜や明け方に悪化しないか
    • 熱はあるか
    • ゼイゼイしていないか
    • 周囲で流行している病気はないか

    などを詳しく伺います。

    これらはすべて、

    咳の原因を見極めるためです。

     

    薬は「咳」で選ぶのではなく、「原因」で選びます

    例えば、メプチン®、ツロブテロール、ホクナリン®は、咳止めではありません。

    小児では、主に喘息が原因と考えられる咳に使用する薬です。

    風邪による咳であれば、通常は必要ありません。

    このように、同じ「咳」でも、原因によって選ぶ薬は変わります。

    咳止めは本当に必要?

    必要なこともあります。

    必要ないこともあります。

    大切なのは、

    「咳があるかどうか」ではなく、「なぜ咳が出ているのか」です。

    原因が違えば、必要な治療も変わります。

    だから私たちは、咳だけでは治療を決めません。

     

    🍉この投稿でお伝えしたかったこと

    今回お伝えしたかったことは、

    「咳止めは飲まない方がいい」

    ということではありません。

    また、

    「メプチン®やホクナリン®を使わない方がいい」

    ということでもありません。

    薬は、症状だけで選ぶものではなく、その原因に合わせて選ぶものです。

    そのためには、

    まず原因を見極めることが何より大切になります。

     

    🍉最後に

    私たち小児科医は、

    「咳があります」

    という事実だけで治療を決めることはありません。

    まず考えるのは、

    「なぜ咳が出ているのだろう?」

    ということです。

    お子さんが咳をしたときも、

    「咳止めは必要かな?」

    だけではなく、

    「どうして咳が出ているのだろう?」

    という視点を持っていただけるとうれしいです。

    「なぜ咳が出ているのだろう?」

    その問いから始めること。

    それが、お子さんにとって最適な治療への第一歩だと、私たちは考えています。

     

    参考文献

    • 日本小児呼吸器学会. 小児急性咳嗽診療ガイドライン.
    • 日本小児アレルギー学会. 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL).
    • Chang AB, et al. CHEST Guideline and Expert Panel Report: Use of Management Pathways or Algorithms in Children With Chronic Cough. Chest.
    • Nelson Textbook of Pediatrics.

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