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  • アレルギーのお話② 食物アレルギー

    2026.03.21

    前回は「アレルギーマーチ」に関してお話ししましたが、今回はその「アレルギーマーチ」が食物アレルギーにどのように関わっているかを説明します。

    2003年に英国から、ピーナッツアレルギーに関する論文が報告されました。内容を簡単に説明すると、皮膚に湿疹がある方やピーナッツオイルを皮膚に使用していた方は、ピーナッツアレルギーを発症しやすい可能性がある、というものです。これは前回ご説明した「経皮感作(皮膚からアレルゲンが入り、体が反応を覚えてしまうこと)」にあたります。

    一方で2008年には、イスラエル在住とイギリス在住のユダヤ人のこども達を対象に、ピーナッツの摂取状況とアレルギーの頻度を比較した研究が報告されています。この研究では、生後早い時期からピーナッツを摂取していたイスラエルのこども達の方が、摂取していなかったイギリスのこども達と比べて、ピーナッツアレルギーの頻度が低いという結果でした。これは「経口摂取による免疫寛容(食べることで体が慣れていく仕組み)」として説明されます。

    ここで「免疫」という言葉について少し整理します。免疫とは、本来、ウイルスや細菌など体にとって有害なものから身を守るための仕組みです。しかし何らかのきっかけで、本来は害のない食物などに対しても過剰に反応してしまう状態がアレルギーです。

    免疫寛容とは、体内に入ってきたものに対して過剰な反応を起こさない状態のことを指します。食事は日常的に体内へ異物を取り入れる行為であるため、消化管には食物に対して過剰に反応しないような仕組みが備わっています。

    これらをまとめると、

    皮膚からの曝露はアレルギーにつながる可能性があり、

    一方で経口での摂取は体が慣れる方向に働く可能性がある、

    という異なる側面が示唆されています。

    近年はこうした知見から、皮膚の状態を整えることの重要性とともに、必要以上に食物の開始を遅らせることが、必ずしもアレルギー予防につながるわけではないという考え方が広がってきています。

    ただし、これは「早く始めれば良い」「積極的に与えた方が良い」と単純に言い切れるものではありません。湿疹の程度や体質、家族歴などによってリスクは異なり、特に皮膚の状態が不安定な場合には注意が必要です。

    そのため実際には、

    皮膚の炎症をしっかりコントロールすることを前提にしながら、発達に応じて無理のない範囲で食事を進めていく

    というバランスが重要と考えられています。

    食物アレルギーに関しては、「完全に防ぐ」ことは難しい一方で、関わり方によってリスクに影響する可能性があることも分かってきています。

    ご家庭ごとに状況は異なりますので、不安な点があれば自己判断で進めるのではなく、医療機関でご相談いただければと思います。

     

    文責:すいかせんせい🍉

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